キナ酸とは
コーヒーの木と同じアカネ科の「キナ」という木から発見されたキナ酸。キナ酸はかすかな酸味のある有機酸です。また野菜・果物の色素や香りのもとになるファイトケミカルという成分の一種でもあり、抗酸化作用が高いのが特徴的です。
特徴、効果
キナ酸は肝臓で安息香酸という成分になり、グリシンと抱合して馬尿酸に代謝されます。この馬尿酸は尿を酸性化するはたらきがあります。通常、尿は酸性ですがアンモニア(匂いの原因)が増えるとアルカリ化し、アルカリ性になることで多くの菌が発育しやすくなります。つまり、馬尿酸によって尿が酸性化することで、尿細管の細胞増殖をふせぐ効果が期待でき「尿道炎や膀胱炎、腎盂腎炎などの尿路感染症の予防」に役立つとされています。
またキナ酸は殺菌作用もあり、尿細管に老廃物がたまるのをふせぐはたらきもあるため、結石を予防したり尿のにごりや異常な匂いの予防にも効果が期待できます。
キナ酸の一種であるカフェオイルキナ酸は、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβによる神経細胞の欠損から細胞を保護するサポートに役立ちます。そのことから「アルツハイマー病の予防」が期待できるといわれており注目されています。また、キナ酸はパーキンソン病という神経変性疾患から神経細胞をまもるタンパク質の発生をうながすはたらきも期待できます。
キナ酸は膀胱炎にかかりやすい方や泌尿器系の病気を予防したい方、記憶力が気になる方におすすめの成分です。
どんな食材に含まれているのか
キナノキ、コーヒーの種子、グレープフルーツ、キウイフルーツ、りんご、プルーン、もも、アセロラ、サジーなどの果実類に多く含まれています。その中でもクランベリーの果実には、特に多くのキナ酸が含まれています。歴史的にもクランベリーの果実は膀胱、胃、肝臓などの障害や創傷などのさまざまな症状に使われており、現在はクランベリーが尿路感染症に良いとされてサプリメントや健康飲料などに活用されています。
この記事は管理栄養士の方に執筆していただきました。
小玉奈津実
サプリメントの商品開発や施設の献立作成などの経歴を持つ管理栄養士。現在はフリーの管理栄養士として活動中で、主に栄養指導やコラム執筆や監修を行う。得意分野はダイエットや正しい食事指導、腸活や美容関連など、食を通じて内側から美しくなる事を発信中!食品表示検定中級も保持しており、日頃から様々な商品の原材料表示をみて分析するのが趣味の一つ。